ビジネスマンの精神科

ビジネスマンの精神科 (講談社現代新書)

ビジネスマンの精神科 (講談社現代新書)

いわゆる精神科に関係する病気について、総論的に把握できる

このあたりの病気についてベースラインを押さえることができる良書だと思います。

章立てで解説されている病気は以下のとおり(目次より)

最後に、「薬物療法」「企業と精神医学」でまとめ。

気になった記述など

心理療法フロイトの「精神分析」について
  • 精神分析による神経症の理論は、過去の遺物である
  • フロイトの概念には科学的な証拠はなく、その後の研究においてもフロイト説の正しさを証明したものは存在していない
  • フロイト自身が行った精神分析による治療においても、患者の症状が改善したことはほとんどなかった
  • ヒトの「精神」あるいは「精神疾患」についてのフロイトの理論は、一つとして医学的に証明されたものはなかった
はやりの病気

これまでマスコミは、数多くの精神疾患の流行を作り出してきた。アダルト・チルドレンPTSDADHD。そして、アスペルガー障害がその後釜にすわりつつある

漢方薬信者
  • はっきりした理由もなく薬に対して嫌悪感を抱いており、「西洋薬」と軽蔑して呼ぶ。漢方薬なら体に悪影響はないと信じているが、これは誤解。
  • 一般の薬よりも漢方薬は有効性に疑問が多い。それは二重盲検法という認可プロセスを経ていないから。
勝手に薬をやめてしまう人

勝手に薬をやめてしまう人がいる。その理由として「友達があまり長くクスリを飲むとくせになると言っていた」などという。医者の指示よりも友達の言うことを信じるのであれば、病院を受診しても意味がない